遺伝子って?

私たちの特徴が、親から子へ「遺伝」するということはよく知られていますが、遺伝子はどのようにして特徴を決定しているのでしょうか。遺伝子検査をはじめるまえに、遺伝子の基本知識を少しだけ理解しておきましょう。

▶︎遺伝子とは?

人間のカラダは、約60兆個の細胞により構成されています。
それぞれの細胞の核の中には46本の染色体があり、両親からそれぞれ23本ずつ受け継いでいます。
染色体を構成するのが、ひも状の2重螺旋構造をしたDNAであり、
そのDNAの中にあるのが、約30億文字のデータを持った遺伝子です。DNAと遺伝子

DNAの中に存在するのが、A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシンという4つの「塩基」であり、この配列が遺伝子情報となります。

遺伝子とは、遺伝子情報の1つの単位です。
4つの塩基配列が遺伝子となり、その情報をもとに60兆個の細胞や様々な臓器が形成されます。

このことから、遺伝子は「人間の設計図」と呼ばれているのです。

▶︎DNAと遺伝子の関係

DNAと遺伝子は混同されがちですが、全くの別物です。
両者の関係は、いわば「カセットテープと音楽」のようなもの。
DNAというテープに、遺伝子情報という音楽が記載されている状態です。

DNAは、デオキシリボ核酸(DeoxyriboNuckeic Acid)の略。
両端のひもの部分は「糖」と「リン酸」でできており、橋渡しをしているのがATGCという4つの「塩基」です。

DNAと遺伝子

しかし、DNAの大部分に遺伝子情報はなく、ごく一部にしか記載されていません。それを効率良く読み取るのが、RNA(リボ核酸,RiboNucleic Acid)です。

RNAには、DNAに記載された遺伝子情報を読み取る働きがあります。
核内でDNAの2重螺旋が解放されて1重になった瞬間に、RNAはその塩基配列の複製を行います。
さらに、遺伝子情報が記載されている部分だけを整理してコンパクトになり、核の外に出ます。
その後に、RNAは規則正しい塩基 と結合して、カラダの元となるアミノ酸やたんぱく質を作り出すのです。

つまり、遺伝子に異常があると、正しい物質が生成されず、様々な病気の元となる細胞(がん細胞など)を発現します。

だからこそ、遺伝子検査でその塩基配列を調べることで、病気のリスクや体質を知ることができるのです。

▶︎個人の違いはわずか0.1%の差で決まる!

2003年に完成した「ヒトゲノム計画」により、ヒトの遺伝子の個人差はわずか0.1%であることが発見されました。
遺伝子の個人差は一塩基多型:SNP(スニップ)と呼ばれています。
これは、「遺伝子の塩基配列が1カ所(一塩基)だけ異なり多様性がある(多型)」という状態です。

SNP

ヒトのDNAでは、SNPは1000〜2000個の塩基に1個程度であると推定されています。

このわずかな違いが、瞳の色や髪質といった外見の特徴だけでなく、性格やお酒の強さ、病気のリスクといったあらゆる体質の個人差を生み出しているのです。

30億個の塩基のうちわずか0.1%の違いが私たちの個性を作り、自分らしさを作っているのです。

▶︎「環境」と「遺伝」の関係

病気のリスクや体質は、遺伝的要因だけでなく環境的要因も関係していることを忘れてはいけません。
環境的要因というのは、食事や運動といった生活環境から気温や汚染物質といった外部環境、ストレスなどの心理環境に至るまで、様々な要因が考えられます。

病気は下の図のように、遺伝的要因が強いもの、環境的要因が強いもの、両者の影響を受けるものに分けられます。

環境と遺伝

遺伝的要因によって発症する病気は「遺伝性疾患」と呼ばれ、染色体異常によるダウン症候群やターナー症候群、小人症などが挙げられます。反対に、環境的要因による病気は、けがなどです。

両者の影響を受けるのは、胃がんや肺がんなどのがんや、糖尿病や心筋梗塞といった生活習慣病が挙げられます。
感染症は、環境的要因が大きいように見えますが、遺伝的に病気になりづらい人もいるので遺伝的要因も関係していると言われています。
また、がんの中でも遺伝性乳がんなどの家族性のがんは遺伝的要因が大きく、種類によっては喫煙や空気汚染といった環境的要因に大きく起因するがんもあります。

このことから、遺伝子検査によって「特定の病気になりやすい」という結果が出たとしても、必ず発症するわけではありません。
環境面に気をつけることにより、そのリスクを大幅に減らすことができます。

だからこそ、遺伝子検査により自らの体質を知っておくことが、将来の病気リスクを減らす第一歩になるのです。

遺伝子検査って? >>

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする